これから海外移住や海外ノマドを始める人に向けて、日本から出る前に知っておきたい「税金」の手続きについてまとめました。
会社員として働いてきた人は、これまで会社が税金関連をすべて支払ってくれていましたが、会社を辞めて海外に渡航するとなると、自分で手続きをする必要があるものがあります。
実際に、私自身も海外に移住するとなって初めて知ったことがたくさんありました。複雑そうな税金ですが、実は意外とシンプルな手続きとなっています。
これから海外生活を始める人は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
まずこれを決めよ!「住民票を抜くかどうか」問題
まず海外で生活を始める人が最初に決めなければならないのが、「住民票を抜くか否か」です。これによって、必要な手続きが大きく変わってきます。
1年以上と、長期的に海外で生活をこれから始める人であれば、日本の住所を抜いて、非居住者になる場合が多いですし、この方法をお勧めします。住民票を抜くときには、『海外転出届』を提出するようになります。
では、実際に住民票を抜くことのメリット・デメリットはどのようなものでしょうか?
住民票を抜くことで、「住民税」「国民年金」「国民保険」の支払い義務がなくなります。(任意で支払うことは可能)
会社でもらっていた明細書を見てよくビックリしていましたが、「住民税」「国民年金」って結構引かれますよね。その分を、海外にいる間は支払う必要がないため、年間数十万円節約することができますよ。
国民年金を支払わないことで、将来受け取れる年金の額が減ってしまうという不安もあるかもしれませんが、個人的には私たちの世代が年金をもらえるかどうかも分からない時代なので、貯蓄に回したいなと思っています。しかし、もちろんリスク管理を考えると、任意で支払うというオプションもあります。
住民票を抜くと国民保険が適用されなくなるため、日本で治療を受けるとなると10割負担となります。そのため、海外に行く前に海外保険に加入しておくことをオススメします。また、住民票を抜いてしまうと失業給付を受け取れません。勢いで住民票を抜いてしまって、後から後悔しないようお気をつけください。
住民票を抜いた場合の所得税について
私も実際に住民票を抜くまで知らなかったのですが、日本では「非居住者」であれば、日本に所得税を納める必要がないんですね。つまり、海外でこれから居住する国の法律にしたがって税金を納めるようになります。
では、海外ノマドの場合はどうでしょうか?現地で仕事をしている場合であれば、現地の会社に税金関連を任せることができますが、クライエントを世界中にもっている場合、どこに納めればいいのでしょうか?
例えば、もし日本に所得源泉がある場合では、非居住者であっても日本で所得税を支払う必要があります。または、拠点があってその国に所得税を支払っている場合には、二重課税を防ぐための二国間条約である「租税条約に関する届出書」を出国前に提出しておくことをお勧めします。これで、免税になります。
拠点がない場合については、税理士さんに色々とお話を聞きましたが、グレーゾーンなところが多いようですね。後から脱税していると言われないためにも、せめて1年に一度日本で確定申告するなどして、どこかには税金は収めておく方がいいかもしれません。
出国する前に確認したい税事情と各種手続き
では、具体的にどのような税金を私たちは支払っていて、出国するまでにどのような手続きをするべきか解説します。
私はこのタイミングで失敗したので、皆さんはぜひ気をつけてください。この海外転出届は、出国予定日の2週間前から手続きが可能です。
しかし、もし日本での仕事を辞めて海外に渡航する場合には、出国予定日を「会社を辞める日」にすることをお勧めします。
実は、会社を辞めてしまうと国民年金などの税金を自分で支払う必要が出てきます。もし、会社を辞めてから出国までに数日空いてしまうと、その期間分の税金を支払う必要が出てきます。そのため、自分で税金の支払いをしなくて済むように、出国予定日には気をつけてくださいね。
先ほど述べた通り、海外転出届を出すと、国民年金の強制加入義務がなくなります。(任意加入は可能)
国民年金は、任意加入しない場合でも、その旨の届け出が必要です。そのため、国民年金を支払わない場合には、年金事務所を訪れて手続きをしておきましょう。
また、会社を辞めて、海外転出届の出国予定日までに期間があいてしまう人は、その分の年金を支払う手続きもありますので、注意をしてください。この国民年金は、日本に帰国して、住民票を戻すと自動的に支払いの義務が生じます。
私も今回色々と手続きをして知ったのですが、住民税は「1月1日に居住している住所の役所に対して前年度収入に応じた税金を支払う」ものなんですね。
つまり、2020年の初旬に住民票を抜いても2020年の1年分を支払う必要があります。そのため、私がお勧めする海外渡航のタイミングは年末です。
これで、損した気分なく1年分の税金を支払って出国できます。一方で、少しでも1月1日を過ぎてしまうと1年分の支払いとなるので、お気をつけください。また前述した通り、非居住者になると住民税の支払いは必要はありません。
同様に、日本に帰国すると、その年の分の住民税の支払いは必要ありません。例えば、6月に帰国して住民票を戻すと、その年は住民税の支払いは不要となります。(当たり前のことでしたが、これを知って少し得した気分になりました♪)
会社を勤めていた人は「社会保険」に、自営業をしている人は「国民保険」に入っていますが、非居住者になると支払いの必要がなくなります。しかし気をつけたいのは、会社を辞めてしまってから渡航するまでに期間が空いてしまった場合、何かあって病院に行くと10割負担になるので、気をつけて過ごすようにしてください。
日本を出るとなると、手続きが必要なことは税金関連だけではありません。私の失敗談も踏まえて、出国前に確認したいことをまとめます。
郵便局に「転居・転送サービス」を依頼しておきましょう。引っ越し前の旧住所から、実家など郵便物を受け取ってくれそうな人の新住所への転送を1年間行ってくれます。
出国するとこれまで使っていたサービスに登録している住所が使えなくなってしまいますよね。そのため、出国前に実家などの住所に変更しておきましょう。
海外に長期間行く場合には、日本にいない間に免許証・パスポートの有効期限が切れてしまわないか確認しておきましょう。場合によっては、早めに更新を行ってから出国しましょう。
私が失敗したのが、携帯電話の解約です。2年契約のサービスに入ってからすぐ解約をしたため違約金で7万円ほど支払う羽目に・・・。海外に移住を考えている人は、できるだけ機種代を支払い終えてから行くことをお勧めします。
以上、海外移住者向け「税金のギモン」をモノがたってみました。